受験日和です。

第五話。勉強って大変なんだ

ママが部屋に入って来た

「いっちゃん、学級委員に選ばれたんですって?」

「うん」

「いち子ひょっとして」

ぎくっ!

「まあいいのよ。理由はどうでも。パパから聞いたのよ、神奈ケ崎高校へ行きたいのね。ママが思うに神奈ケ崎高校って言えば、だいたい…」

「なぁに?」

「いち子は大学に行きたいの?」

「えっ? 別に未だ考えて無い」

「ふっ甘いわねぇ、いち子。人生は長いのよ。いい事を教えてあげる。神奈ケ崎高校ならアレね。スポーツ推薦、以外全員大学受験チャレンジすると思うわよ。それに勉強が辛くて、いち子に合わないかも知れないわよ」

「勉強が難しい!?」

「そう。ママちょっと顔見知りに聞いてみたの。神奈ケ崎高校の事。学区に5校、普通科の県立高校が有るわよね。神奈ケ崎高校って、他の高校より難易度の高い教科書を扱っているらしいのよ。」

!!

「えっ困る!」

英語や日本史なら追い付けるかも
でも、数学や理科なら、やばいかも

「いっちゃん。学級委員をやってみる事は、良い経験になると思う。でも今無理しなくても…」

「うー」

「高校で、ビリを取るよりも、みんなと足並みそろっていた方が、学校が楽しいと思うわよ」

「どうしよう。ママ」

「ママはね、パパと話しながら、何となくだけどね。西泉高校とか制服可愛いって前言っていたでしょ? 西泉なら大学へも行かない訳じゃないし、どう?」

「…どうしよう」



「いち子ー、ママー、学級委員のお祝いのカレー出来たよー」

「パパが呼んでるから、じゃあね。」


西泉高校かぁ
悪くは無いんだうん

成績は、今のままで受かりそう
勉強もこれから三年の部分を頑張って…

最初はそう思っていた
どうしてこんな風に、ぐちゃぐちゃになっちゃったんだろう
高望みだったかな 藤村先輩って

いいや今は

いち子は、一階へ降りて行った

「パパとママの子だから私は多分、無理なんだと思う。高校は行ける所でいいのかも。あきらめって肝心かな」

「いち子は昔から、マイペースな子だったからね。うーんパパが一番勉強したのは高校三年生の時だったかな」

「大学なんて行くかどうか分からない」

「今は少子化だからね。パパは大学へ行くのもいいと思うよ。所で、いち子は、何になりたいとか、どういう事をしたい。とかは有るのかな? この際だから、聞いてしまおうかな?」

「うーん。お母さんかな。誰かと結婚して、子供は、二人ぐらい…」

「夢だね。」

「あのね、パパ」

「あら私は、いち子ならどうなるかしら。いち子は実技中心に4が多いでしょ? 県立高校で普通科なら十分よ」


伊原いち子の通知表☆

国語 3
数学 2
英語 3
理科 2
社会 3
音楽 4
美術 4
技術家庭 3
体育  3

三年一学期でした☆


パパとママが、何かぐちゃぐちゃ言っている

女の子は勉強が全てじゃない
とか
出来るに越した事は無いだろう
とか
出会う男性のランク?
とか
大学生になって急に彼氏を連れて来たら
とか
パパはだいたいとか
急にとか
話がこんがらがって来た


ねぇ私、とりあえず西泉目指す
あと彼氏は居ないから
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