皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
第二章

悪夢ふたたび








もう何年も使っている目覚まし時計が頭の方で鳴り、ゆっくり身体を起こしてそのけたたましい目覚まし時計のボタンを急いで押す。
止まった時計を目の前に近付け、時刻を見たら朝の4時半。

夜中に目を覚ましたのか、敷いていた隣の布団に移動したお父さんが「うるせーな。」と、半分寝ている声を出してしまったので、静かに朝の準備をする。

朝のバイトは開店6時から朝ごはんを提供している定食屋さんのお手伝い。仕込みというよりお掃除や雑用がメイン。

昔から私の家庭事情を知っている為か、店主とママさんが雇ってくれた事が同情だろうが学校前に少しでも稼げる環境が有難い。


何より私のお昼のお弁当を店主が作ってくれるのと、
どうせおかず余るからと言ってくれるママさん。

同情じゃなくて、愛情かな。

いつもいつもお弁当美味しいよ。


お店は5時半から7時半までの2時間。学校まで歩いて10分程度だから遅刻の心配もない。
ただ難点なのは…。





「えーなんかー朝からめっちゃ揚げ物臭いんだけどー。」
「うわ、マジだ。揚げ物っつーよりもはや油?」


A子とB男が登校して教室に入るないなや、私におはようと挨拶代わりの毒をはき散らかす。

ただ本当に揚げ物臭いのは事実だし、私の臭いのせいで前の席の太った男子は朝のHRが始まる前にお弁当を出してしまう始末。

ママさんから割烹着を借りて店内にはいるけど、正直着替える時間を入れると予鈴ギリギリになってしまうので、割烹着の下は制服のままで労働をしている。

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