皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました

「別に…勝手にしなよ。」


携帯を持っていない私にとってネットに晒す意味がわからず、誰でもかれでも私の顔を見れるとは微塵も思わずされるがまま。

その反応がまた面白くないのか、


「なんだよこのブス、マジ苛つくわ。」
「性格もブスとか救いようねーな。」
「つーか臭くね?ブス臭くね?」


休み時間事に訪れる入れ替わり立ち替わりの男女の私への罵倒。

トイレに逃げてもついてくる女子たち。
廊下を歩けばブスと笑う男子たち。


負けたくない。
だって私、何も悪くない。
高校だけは卒業しろってアルコールを飲む前に話すお父さんとの約束は破らない。

お父さんは忘れてるかもだけど、

なんだかお父さんとの約束が嬉しくて、それだけは守りたいんだ。



そして、約2週間ぶりに見た元凶の顔。


「久しぶり。会いたかった。」
「なんで此処に来るの!?」


朝の6時頃、開店と同時にのれんをくぐって現れた私のバイト先の定食屋にイケメンの姿。

揚げ物を揚げている店主も、
ご飯をよそっているママさんも、
目が点になっている。


< 34 / 168 >

この作品をシェア

pagetop