君との恋のエトセトラ
日を追うごとに、凛は徐々に仕事にも慣れてきた。

ブラック企業として名高いゆえに、初めはかなり身構えていたのだが、実際は働きやすく皆も親切にしてくれる。

凛は何の不満もなく毎日を過ごせていた。

だが月末が近づくにつれて、社員達の雰囲気がピリピリしてくる。
月ごとの成績が月末に発表されるからだ。

この会社の営業部は、成績さえ良ければ何も言われない。
出社しようがしまいが、どこで何をしていようが一切触れられない。
だが逆に成績が悪ければ、なぜなのか?毎日何をしていたのか?今後どうするつもりなのか?と事細かにヒヤリングされることになる。

プラック企業と呼ばれたり離職率が高いのは、そこに一因あるからではないかと凛は考え、社員達がストレスをなるべく抱えないよう、自分が出来ることは何でもサポートしようと固く心に決めた。
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