君との恋のエトセトラ
マンションのエントランスに着くと、支払いを済ませて凛を抱き上げる。
その軽さと手足の細さに、航は驚いた。

(えっ、もしかして痩せた?)

もともとスラリとした手足が今は折れそうに細く、スーツも心なしかブカブカになっている。

(どうして?あいつと暮らしているのに、なぜこんなに痩せて体調まで崩したんだ?)

釈然としないまま、とにかく今は休ませなければと、凛が以前使っていた部屋のベッドに寝かせた。

凛は真っ赤な顔で苦しそうに熱に浮かされている。

航は急いで氷水とタオルを用意すると、冷たく浸したタオルを固く絞ってから凛の額に載せた。

冷たさに一瞬身体をこわばらせたあと、凛はふっと小さく息をつく。

そのままスーッと深い眠りに落ちていく凛の頭を、航はそっと撫でた。
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