続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「奥様、朝ご飯の時間です」

「うん」


結婚して半年が経つのに”奥様”だけは、慣れない。


「鳴海さんは?」

「今日は朝早くから出掛けましたよ」

「そう」


私と鳴海は、別々の部屋で寝ている。

それは、不規則な生活をしている鳴海の、私に対する配慮だった。

夫婦別々の部屋。

家事を全てやってくれる家政婦。

私は何の不満もない。

哲平と生活をしていた頃を思い出すと、凄く恵まれているんだと思う。


でも、結婚生活は思った以上につまらない…。


「今日は学校は?」

「休むわ…」

「又ですか?ちゃんと行って貰わないと、私が怒られます」

「明日は行くから…」


家政婦の高橋さんは溜息をつく。

私は最近、大学に行く意味が分からない。

勉強なんて、何の役にも立たなかった…。

少しだけ出来るようになった家事さえも、ここでは役に立たない。

何で私はここに居るんだろう?
そんな事さえ考えてしまう…。


「ご馳走様」


私はそう言って部屋に戻ると、CDを聞きながら眠ってしまった。

< 2 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop