続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「今日は何かあるの?そんなにお洒落して…」


そんな鳴海の言葉さえ、余り気にならなくなっていた。

鳴海は私に関心がない…。


「中津さんの結婚式だよ…」

「…そうだったな。気を付けて」

「…うん」


車に乗り、式場まで連れて行って貰うと、小さな教会の中に入る。

教会の中には少人数の知らない人達と、嬉しそうな顔をした、マリナのお母さんの姿が見えた。

私は空いている後ろ側の席にポツンと腰を下ろす。

式が始まる直前、静まり返る教会に慌てて入って来る男がいた。


男は私の隣に座ると息を切らして、汗を袖で拭う。

ハンカチ…忘れたのかな?


「あの、良かったら…」


私は男にハンカチを渡した。


「ありがとうございます。仕事が押しちゃって、急いで来たらハンカチを忘れちゃったみたいで」


私は笑って、男の顔に視線をやった。


「…哲平?」

「綾香…」


私と哲平は視線が合ったまま。時間が止まったかの様に、言葉を失った…。



何で哲平がここに居るの…?



その時、新郎が入場し私は我に返る。


「お祝いしようぜ?」



そう笑顔で哲平が言った。





























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