【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



 外に出ると、屋敷の前に停めてあるのは私でもわかる国産の有名な高級自動車メーカーのダークグレーの車だ。

 大宮さんは助手席のドアを開けて乗りやすいようにエスコートしてくれた。


「……では、出発するけど大丈夫?」

「えっ、あ、ちょっと待ってください。ベルト、どこにありますか!?」


 恥ずかしいけどこんな車の助手席乗ったことないから、シートベルトの場所がわからない。

 というか、乗り心地良過ぎないかな……このシート!


「ごめんね、シートベルトならここだよ」


 そう言って大宮さんはベルトを私を抱きしめるように密着して引っ張って止めた。距離感が……近過ぎてドキドキする!

 ……というか、今日は洋服だからかとても距離がゼロになっているのがわかった。



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