【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「……じゃあ、また連絡するからね」

「はいっ、今日はありがとうございました」


 そんな会話をして建物に入ろうとすれば「千愛」と呼ぶ男性の声が聞こえて振り向くも、そこには誰もいなくて不思議に思った。

 だが、声のした方向を見ても誰も居なかったので気にしないふりをした。
 
 ――だけど、もしこの時、もう少し気にしていたらよかったのかもしれないと思うことになるなんてこの時の私は知る由もなかった。




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