キラキラ王子様系男子の秘密を知ったら実はアブナイオオカミでした?!
いつまでも幸せに
学校に登校する時、先輩を見つけると、カバンに揺れる満月を見て幸せな気分になる。ありすには、付き合うことになった話をした。すると、

「え、どこまでいったの?」
なんてすーぐ下世話な話をしようとするから、私は困りながらスルーするのだった。

ん?でも、先輩、満月の夜は発情しちゃうのは知ってるけど、私にキスしかしてないな…?…気を使ってくれてるのかな。
私は、先輩に触れられるのが好きだ。もっと触れて欲しいと思う。
言ってみようかな…?
私から言うの恥ずかしいけど、先輩は私から言わなきゃ気を使っちゃうんだと思う。そういう人だ。

二人きりになった時、私は勇気をだして先輩に聞いた。

「先輩は、私に触れたいって思ってくれますか?」

「え?」
先輩は課題をしていた手を止めた。

「私は、触れて欲しいです。満月の日じゃなくても」

先輩は私をじっと見つめる。そして
「そんなこと言って後悔しない?」
と私に近付いた。
「僕はオオカミだよ?」

「いいです。だって先輩ですから」
「何それ、かわいいなあ」
先輩は私の頭を優しくなでる。
「僕も、ずっと触れたいと思ってた。でも、満月の夜に凶暴化する僕を見てるし、輝を怖がらせたくなくて」

「怖くなんてないです!先輩にされることなら」

私は本心をぶつける。すると先輩は私を抱きしめた。
「大好きだよ」
そして、キスをされる。2回目のキスだ。
勇気を出して良かった、と思った。

その瞬間、先輩は私に覆いかぶさった。

「わっ」

「キスだけで終わると思った?」

先輩は私の制服のリボンを解く。

「ひゃ、ちょ」

「まだまだ夜は終わらないから」

私の知らない夜はこれから始まるのだと、そう感じた。

その日を境に、前より触れ合うことが多くなる。抱きしめることもキスをすることも増えた。お互いの気持ちを確かめ合えているようでとても幸せだ。

そしてまた
ー満月の夜が訪れる。
この日は、学校ではなく、先輩の家にいた。
そう、今日はお泊まりなのだ。お泊まりが決まってからぷしゅーってなってた期間があるのだがそれは長すぎるので割愛する。

私は、私の前でオオカミ化した悠斗先輩を見て、美しいと感じた。金色に光る目が私を見ている。

「輝…好きだよ…」

はあはあ、と息を切らしながら、先輩はそう言う。もう、誰でもいいわけじゃない。輝が欲しいのだ。先輩は私をソファに押し倒すと、強引に唇を奪った。それから服の上から体をなぞる。

「…ぅあ」

変な声が漏れる。

「今日こそ、輝を食べさせて」

先輩はそう言うと、私の首筋に顔を埋めた。

「うん、いいよ…」

今まで十分、待て、してきたもんね。…恥ずかしいけど、もうよししてもいいよね。

「ひゃ…」

先輩の指使いが…。私も理性が飛びそうになる。先輩の吐息が、私をおかしくさせていく。

私が持つか分からないけど。今日はもう、先輩のしたいようにさせてあげる。
好きな人に好きに触られて嫌なわけない。
たとえそれが本能だって、愛情に順じたものならいいのだ。

「悠斗先輩…大好き…」

幸せな夜を過ごした。先輩の愛を一身に受けた。気付いたら眠っていた悠斗は、私より先に目覚める。隣で眠る私を見て、幸せそうに微笑んだ。

♡♡♡

それからも日々は続く。溺愛し、溺愛される日々。

「高校卒業したら一緒に住まない?」
「いいですね」
そんな会話もした。私があと3年もあるから、待ってもらわなきゃだけど、きっと私たちなら大丈夫だ。3年後はさらに溺愛し合っているだろう。

今日は先輩の家にまた料理をしにきていた。今日はケーキを作る。
スポンジを焼いている間、また一緒にテレビを見ていた。そんな時に

「……キスしていい?」

と先輩が聞いた。

「うん…」

先輩は私に口を重ねる。そして…。満月の夜じゃなくても、先輩はやっぱりオオカミなのかも。でも、私だけのオオカミ。
そんな先輩が私は好きだよ。

先輩が優しく落とすキスに私は微笑む。先輩の手が私を優しくなぞる。
甘い甘い時間が過ぎていく。

私たちだけの秘密の時間。
ーママ、私はオオカミに食べられることを選んだ。
でも幸せだよ。

二人はいつまでも触れ合っていた。

おしまい
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