孤独な少女は優しさに堕ちていく。
♢♢♢

「私が、みんなを、殺しちゃったんだ、ってずっと思って、怖くて、お墓も、入れなくて、っ」

「うん」


泣きじゃくる私の背をさすりながら千景さんは優しく聞いてくれる。

「明日、命日なのにっ、今年こそって、思ってたのに」

「そっか」

それっきり、黙ってしまった私を見た千景さんが動き出した。

千景さんはゆっくりと私の正面にまわって、ふわりと私を抱きしめた。

「乙葉ちゃんは頑張った。一人でよく頑張ったね。乙葉ちゃんはもう一人じゃないよ」

低く心地よい声と、まわされた腕に言いようのない安心感を覚えた。

見た目ではそこまで大きく感じなかったのに、今は大きな体で乙葉を包み込んでいる。

「乙葉ちゃん、ねむい?最近寝れてなさそうだったもんね。寝ても大丈夫だよ」

乙葉はそのまま眠りについた。

もう、夢は見なかった。
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