世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
結星と別の中学に通い始めたことをいいことに、学校では好き放題していた当時の俺。

朝起きた時に気が向かなければ、普通にサボるし、気が向けば行く。

のらりくらりと、適当に生きていた。

真面目な兄と、不真面目な弟。

一卵性の双子だから見た目はそっくりだが中身は全然違った。

「……名前、なんて言うんだ?」

興味が無い割にも、最低限のことは聞いてやろうと思って1度だけ。惚気話の最中に俺は、そうやって聞いたことがある。

「羽瑠、って言うんだよ!可愛い名前だろ」

「あっそ」

「なんだよ、自分から聞いといてー」

いずれ結婚する、とか言って会わされるんだろーなー、とふんわり思っていた時。

「羽瑠がさー。海外行くんだって…」

「へー」

「…っ」

その日はやけに結星が落ち込んでいて、リビングのテーブルに顔を突っ伏してすすり泣いていた。

「え、は!? お前泣いてんのかよ」

「いいだろ!別に!」

俺は恋愛とか、生まれてから1回もしたことねぇし、てかそもそも女嫌いだし、よく分かんねぇけど彼女が海外行くだけでこんな泣くのかよ…。と呆れていた。

「男の癖に泣くなよ。振られるぞ」

「だって3年も会えねぇんだぞ!?」

「なんだよ!たったの3年かよ!」

一生かと思ったじゃねぇか…、と思ったが、本人たちにはどうやら深刻な問題らしかった。

「羽瑠、寂しがり屋だから心配なんだよ」
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