世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
#3 記憶の行方
***

ーージリジリジリジリ…!

ガチャ、と目覚ましを止めた途端。

私はさっきまでとても幸せな夢を見ていたんだ、と自覚した。

なんか……幸せすぎて今の私には勿体ない夢だったな。

それでも。また寝たら……あの夢の続き、見られるかな、なんて思ってもう1度、目を閉じた​───────…

そう思って2度寝したのが、運の尽き。

「……んっ」

次に目が覚めた時。11時を回っていた。

あれ……?

寮は各自の部屋に鍵が掛かっていて、ママと住んでた時みたいに、部屋にズカズカ入ってきて、起こす、なんてことはしてもらえない。

そう。

してもらえないのだ。

ふとスマホを手に取り、大量の通知を確認する。

【うるうるー?】
【学校はー?】
【起きないのー?】
【寝坊かなー?】
【おーーいっ】

全て桃子ちゃんからだった。

思考が止まり、自分が置かれた状況を整理する。

うわっ!遅刻ーーー!!

***

「はぁっ……、はぁっ…」

急いで制服に着替えて息を弾ませながら、光のスピードで寮を出た。

しかし数メートル走った所で急ブレーキを掛けた。
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