意地悪で優しいあなたの溺愛

定期テスト

今日は1時間目から5時間目までずーっとテストだった。

国語、数学、英語、理科、社会の順で行われた。

比較的得意な文系教科はともかく、理系教科が全然とけなかった。

花梨は、今まで生きてきた中で1番できの良いテストでだった、と言っているからきっと高得点を出すのだろう。

今回のテストは花梨に抜かされるかもしれない。

ちなみに、中学の頃は私のほうが順位は上だった。

この学校も比較的余裕がある状態で入試を迎えた。

花梨は、かなりギリギリだったようだけど。

誰かの言葉1つでこんなに調子が狂ったのは初めてだ。

無意識に左京くんのことを目で追ってしまう。

少しでも笑っているところが見られれば私も嬉しいし、ちょっとした仕草にも目を奪われる。

なぜだろう。

左京くんの良いところなら、いくらでも言える気がする。

それくらい、好きだ。

……好き?

私は、左京くんが好き?

私は、左京くんが好きなんだ。

気がついていないつもりだったけど、私の心は、ずっと左京くんが好きだと言っていた。

きっとこの恋は片思いで終わるのだろう。

私に振られるとわかっていて告白する勇気はない。
< 40 / 61 >

この作品をシェア

pagetop