シェフな夫のおうちごはん～最強スパダリ旦那さまに捕まりました～
　翌朝、明人はほとんど眠れない状態で目覚めた。
　しばらく波留のとなりにいたが、完全に目が冴えてしまったので起き上がって朝食の準備を始めた。

（今日が休みでよかった）

　明人は目にクマをつけてため息をついた。
　結婚休暇を取っているが、まさか別の意味で寝不足になってしまうとは思いもしなかった。

（休暇中に何とかあの高級食材を調理しなければ）

　彼はパンの生地をこねてまな板に広げ、丁寧にひとつずつ分けていく。

（今日は家でゆっくり過ごして彼女の体力を回復させておけばいい）

　彼は薄く伸ばした生地をくるくる丸めてクロワッサンの形にしていく。

（そうだな一緒に映画鑑賞でもしようか）

　彼はクロワッサンを綺麗に並べて余熱したオーブンで焼き始めた。

（普段はアクションものの洋画しか見ないが、今流行りの泣ける恋愛モノでも見てみようか。どれがいいのかさっぱりわからないが）

　彼はレタスを洗ってトマトをカットし、じゃがいもとにんじんとブロッコリーを鍋で蒸した。

（あとでネ〇フリでチェックしてみよ）

　彼はフライパンに卵を割り入れて、ベーコンをカリカリに焼く。

（どうせならちょいえろなやつ見せてその雰囲気で突破するか）

　彼は元気が出てきた。

< 33 / 178 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop