シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
~AKITO side ⑥~
翌日出社した明人は自分のデスクから浅井をじっと睨みつけていた。
その視線に気づいた浅井が愛想笑いを振りまく。
「穂高さん、視線が痛いっす。もしかして新婚生活に何かトラブ……」
「すこぶる順調だが何か?」
「そ、そっすか……」
浅井は目を泳がせたあと、思いついたように笑顔でそれを口にする。
「いいっすねー。奥さん可愛いし、穂高さんの家に遊びに行きたいなーとか思ってるんですけど、どうですかあ?」
明人は真顔から表情を緩めて口もとに笑みを浮かべた。
「はぁ……仕方ないなあ、浅井くんは。新婚の家にお邪魔しようなんて無粋な真似をしようというのか?」
明人がわざとらしく困惑の表情をしてため息まじりに言うと、浅井の笑顔が凍りついた。
「え……キャラ違くないっすか?」
「浅井くん、仕事しろよ♡」
「いや、くん付け? てか、セリフが甘っ……」
彼らのやりとりに、周囲は少しざわついた。というよりも、明人の言動に周囲は驚いているようだった。