TOP SECRET〜この恋は、誰にも秘密〜
take.1 平凡な日々〜紗綾〜
〜side.紗綾〜


 カーテンの隙間からこぼれる朝の光で目覚めた。最近、夏に向かって段々と日の出時刻が早くなってる。ベッドサイドに置いてある眼鏡をかけて、ベッドから立ち上がるとカーテンを一気に開ける。


窓の外には、私の手作りの小さな池。それから沢山の緑たちには小鳥が集まっている。駅からも結構遠いし、建物も古い割には家賃が少し高くて正直なところ痛手だけど、この小さな庭がついているのが気に入っている。




 山手線の某駅から徒歩3分といった場所に、私の勤める書店はある。『大和ブックストア』と書かれた大きな看板は、周囲に建つ大手銀行や電器店のビルなどにも決して引け目を取らない。


地下二階から地上八階までをびっしり本で埋めつくされた立派なビル書店の品揃えは、間違いなく日本一を誇るマンモス書店だ。


私は小さい頃から本が大好きだった。両親や妹が傍でテレビをつけていても、一人本を開いて熱心に読んでいるような子だった。


学校の休み時間も友達から誘われれば外に出ることもあったけど、基本的には教室のなかで本の世界に浸っていた。


そんな調子だったから視力は年々下降線を描いた。だけど、「それだけ熱中出来る好きなことがあるなんて幸せなことよ」と言い切る両親は、私から本を取り上げたりしなかった。むしろその逆で、学校の勉強よりも本に没頭していく私のことを温かく見守り続けてきてくれた。


 高校生になって本屋さんで本に囲まれてアルバイトをしたいと言ったときも二つ返事で了承してくれた。結局高校三年間の放課後はほとんどをバイトに費やした。

短大時代の二年間もアルバイトを続けた結果、卒業と同時に社長推薦の太鼓判をもらい入社が決まった。


 
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