《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
 思いがけず遭遇してしまった夫との冷ややかな会話を思い出せば、胸の奥がぎゅうと掴まれるように苦しくなる。

 今向かっているのが魔術学校ではなく、本当に『良き妻になるためのお稽古』ならよかったのに。

 夫に愛され、愛する夫のために立派な妻になるべく学びを重ねられたら、どれほど幸せだったろう。

 ——学校(あそこ)魔窟(まくつ)だもの。

 魔術学校・ロッカジオヴィネ学園に集うのは、純粋に異能や魔力を磨こうとする者たちばかりではない。
 魔術を持つ者たちはそもそも世界の異端児で、魔術学校は変わり者の巣窟だ。

 そうして練り上げられた異能や魔力は、権力者たちの手によって私利私欲のために《利用》されることがほとんどなのだから。


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