魅惑の絶対君主
優しい手






「ああ……レオくんだあ……。レオくん……!」


次の日の朝、昇降口でその姿を見つけて思わず駆け寄った。



「冬亜ちゃん、おはよ」

「レオくん〜……ちゃんといた、よかったあ!」


「はあ? どうしたの急に」

「いや、なんか会えたことに感動しちゃったというか」



ちゃんと普通の女子高生として戻ってこれたんだなって……。



ますます意味がわからないというように首を傾げるレオくん。

これは至って普通の反応だ。



土日をはさんでたった二日間顔を見なかっただけなのに、しばらくぶりの再会みたいな反応されたら戸惑うよね。

でも実際、わたしはそのくらいの感覚だったんだもん。


三日前の金曜日、いきなり知らない世界に放り込まれてから今日まで、とても長かった。



「それより冬亜ちゃん、なんかいつもと違うね。シャンプー変えた? あと洗剤も」

「っえ……あ、うんっ。実はそうなんだよね」


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