魅惑の絶対君主
淡い恋情





「やばい! あの人のイケメンすぎる、誰……っ!?」



そしてやってきた二週間後の木曜日。

──三者面談当日。


女の子たちのわあわあきゃあきゃあ騒ぐ声が聞こえるなあと思ったら、その中心には相楽さんがいた。



忘れてた。

相楽さんはものすごく綺麗な顔をしてるんだった。

しかもスタイルもよくて、魅惑的なオーラもあって……。


いっきに焦りが募る。



サングラスしてきてくださいって言えばよかった。

いや、それだと逆に目立っちゃうかな……?


そんなことを考えているうちにも、相楽さんは教室のすぐ手前まで来ていた。



みんなの前で名前を呼ばれるわけにはいかないと思い、なんにも知らないふりを装って廊下に出る。


それから『先に談話室行ってますね』とジェスチャーを交えて口パクで伝えよう……と、思ったのに。



「あ、“冬亜チャン”、お待たせ」


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