きみと、境目の停留場にて。
この場所は訪れる人によって姿を変えた

望むもの、その記憶によって景色を変える



高層ビルが立ち並ぶ都会の街並み

のどかな田園風景が広がる田舎町

古びた木造校舎

茜色に染まる海

色とりどりの花が咲き誇る花畑

遊園地、映画館、ショッピングモール…



色んな人間がここへ来た


泣いていたり、怒っていたり

傷付いていたり、心配していたり

嬉しそうに、満足そうに笑っていたり



色んな話を聞いて、色んな記憶の景色を見て

色んな人生を知った



行くべき場所が分からない人

それが分かっているけど、行きたくない人

後悔や未練があって
行くべき場所が分かっていても、行けない


なにも考えず、ひたすら休むため留まる人

自分の死を受け入れられない人



たくさん話して、触れ合って

たくさん、たくさん、見送った


どれだけ時間がかかっても
どんな状態だったとしても
人は、自分で答えを見つけて進んでいく

それを知った



ひとり見送っては、また、ひとり迎え入れる


繰り返し、繰り返し


出会っては別れて、別れては、また出会う



そして



今日も俺は、知らない誰かと出会う
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