クールな海上自衛官は想い続けた政略妻へ激愛を放つ
 目を夫に向ければ、柊梧さんは両手で顔を覆って肩を揺らしていた。思わず目をまん丸にしてしまう。ぼたぼたと涙が零れているのがわかった。

「お父さん、泣き虫ねえ」

 助産師さんにからかわれながら、柊梧さんは涙を拳で拭って唇を真一文字に引き結びなおし、そうして赤ちゃんをそっと抱っこする。

「……かわいい、なあ」

 優しく甘い、震えた声で彼は言う。それから私を見て、とっても優しい顔で笑った。

「海雪、ありがとう」

 私はいろんな愛情や感情がたっぷりこもったその声に、どう答えを返していいのかわからない。
 ただなんとなく、きっと伝えるべきだと思ったことを素直に口にすることにする。

「ありがとう、柊梧さん」

 柊梧さんの瞳がみるみるうちにまた潤んで、ぽたぽたと涙が零れて。
 胸の奥が、じわじわと温かい。

「私、幸せです」

 そう伝えると、柊梧さんは端整な顔をくしゃくしゃにして笑ったのだった。


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