運命の人、お待ちしています!

★運命の人、私のもとに落ちてこい!

私を作った神様に会えるというなら、今すぐに伝えたい。私の中にあるイカれたセンサーを作り直してくださいと。

きっとそのセンサーがちゃんとしたセンサーならずっとずっと早くから素敵な恋に出会えるはずだったからと。

「愛花、今日から始業式でしょ! のんびりしすぎよー」
「やっば! 急がないと!」
「全く」

私は夢咲愛花(ゆめさきあいか)、今日から高校二年生!
そうずっと憧れてたセブンティーンになる年!

そして、運命の恋を見つける為の年だ!

絶対絶対次の恋はちゃんとした人とする。
来年は受験で大変だから今年のうちにね!

「あいきゃん、おっはー!」
「ギリギリセーフだよ? 愛花」
「ココ、真凛おはよう! ごめん、髪のセットに力入れすぎてさー!」
「進級して早々男漁りする気満々か」
「真凛ってばひどい! 運命の人探しだし! 私がチャラいみたいじゃない!」
「はいはい」
「真凛! あいきゃん、彼氏と別れたばっかだから必死なんだってば。そんな言い方やめたげて」
「ふ、振ったのは私なんだけどねっ」

学校に着くと、中学からの友人である佐々木心菜(ささきここな)と三船真凛(みふねまりん)と合流した。

「それで、あいきゃん! うちらとあいきゃんは果たして同じクラスになれたでしょうかー!」
「えっ。二人もうチェックしたの!」
「うん。愛花だけ……違うクラス」
「マジ⁉︎ 中1から高1まで一緒だったのに⁉︎」
「あいきゃん、違うクラスになっても仲良くするからね。あいきゃんならすぐ友達ができるよ」
「そ、そんなバカなーっ!」

友達は確かにすぐ作れるだろうけど、二人と別れるとか無理すぎるんだけど!

「なーんてうっそー!」
「愛花と私らまた同じクラスだから」
「ちょ、ちょっと! 二人で結託したわけ⁉︎ ひどいんだけどっ」
「全く愛花はすぐ騙されるんだから」
「やっぱり今年もクズ男と付き合うフラグがすごいよねー! あいきゃん!」
「やめて! 今年の夢咲愛花はちゃんと運命の恋を見つけるんだから!」
「無理だな、愛花には」
「だねー!」

そう、私がこんなに運命の恋にこだわるのには理由がある。
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