好きだなんて、【完】

どうしようもない吹雪


あの日から無情にも時が過ぎて、





茹だるような夏を超え、





枯れる秋も過ぎて、





冬になった。



あれから半年経ったのだ。




私は…いつも通り過ごしている




「で、あんたと霧沢はいつになったら付き合うの?」



お昼休みあーちゃんがサンドイッチをかじりながら、そう言ってくる



「ええ!?」



危ない、卵焼き落としそうになっちゃったよ



「何、驚いてんだか…この間もデートだったんでしょ」




「デートじゃないよ!風季がみたい映画観に行っただけ!」



私も好きな映画の続編だったし…



どうせ見に行こうと思ってたところに、誘われたからさ。



「それを世の中ではデートっていうのよ」




「こ、告白される前も…たまに行ってたし」



「返事はまだしてないの?」



「はい……完全にタイミングを失いました」

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