【完結】好感度-100から開始の乙女ゲーム攻略法 〜妹に全部奪われたので、攻略対象は私がもらってもいいですよね〜

02.乙女ゲームの開始

 
 ルサレテが目を覚ましたのは、ペトロニラが目を覚ましたすぐあとのことだった。

 身体が鉛のように重く、あちこちに激痛がある。発熱もしているようだ。重い身体をなんとか起こして座ると、既に意識を取り戻していたペトロニラの周りに、取り巻き令息四人が集まっていた。

「無事でよかった……っ。そなたが目を覚まさなかったらと思うと気がおかしくなりそうだった」
「医師によると、全身に怪我があるそうです。ひと月ほどは安静にするようにとおっしゃっていました。でもきっと、すぐに元気になりますよ」
「何か食いたいもんはあるか? 喉乾いただろ。とりあえず水飲め」

 王太子ルイ、宰相の息子エリオット、騎士団長の息子サイラスが慰めの言葉をペトロニラにかけ、至れり尽くせり世話をしている。彼女が目覚めたことに感無量の様子だ。

「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたの。サイラス様はお優しいですね」
「そ、そんなことはない。当然のことをしたまでだ」

 サイラスは満更でもなさそうに口元を緩めた。ペトロニラはサイラスからコップを受け取り、喉を潤す。取り巻きたちに愛嬌を振りまく彼女を見てルサレテは疑問に思った。

(人のことを階段から落としておいて、どうして平然と笑っていられるの……?)
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