私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
「次はショッピングをしようか。どのお店に行きたい?」

そう聞きながら、亮弥さんは私に手を差し出す。

「全然、反省してないじゃないですか!」

「反省してるよ。だから、次は玲乃が繋ぐか選んで」

「っ!」

私が顔を赤くして固まると、亮弥さんは私の顔を見ながら嬉しそうに話しかけてくる。


「今日は人が多いから、手を繋がないとはぐれちゃうかもね」


「私はそんなに子供じゃないです……!」


「じゃあ、本当に繋がない?」

私はそっと亮弥さんの手に自分の手を重ねた。

「5分だけです……」

「駄目」

「っ!?」

「一回、差し出したなら、もう絶対離さない」

その言葉はまるで亮弥さんの愛を表しているようだった。
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