恋の病に、堕ちてゆく。
青波はそれ以上、もう何も言わなかった。

私もさっさとやってしまえば終わり!と自身を奮い立たせて、手鏡と綿棒を持つ。

そして慎重に、綿棒につけた薬を患部に塗りつける。


ーーつッ、かなり染みる。

おまけに塗り薬自体の伸びが悪く、傷口全体に上手く広がらない。

やばい、泣く…。

なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!



「まだ、出てないのですか。食事、冷めますけど」

大我の声がする。

「温め直せばいいだろう」

「縫ってもないし、大したことない傷のくせに、大袈裟ですね」

なっ…。
大我の言葉に歯を噛み締める。

むかつく、むかつく!


「痛っ!」

大我に対する怒りから、思わずグッと綿棒に力を入れてしまった。そのまま綿棒と傷口が接触し、一瞬触れただけなのに激痛が走った。
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