恋の病に、堕ちてゆく。
それから別の部屋から持って来た毛布を四季にかけてもらう。

悪寒がしていたが、渡された温かいマグカップのおかげで少し和らぐ。


「…母が、昏睡状態と聞いて、それで病院に行こうとしました」


やっと、そう告げられた。


「…話したの?」

青波が聞いても、先生は微動だにしない。

"話したの"
青波のその言葉が、真実だと告げる。


本当に昏睡状態なんだ…。


「なんで、話した?まだ敵が全員捕まっていない中で、逃したら、こういうことになるって分かってたよな?」

「……」

「理由があるのなら、言え」

私のせいで先生が責められている。

「先生はなにも悪くない!私のために、してくれたことなの!」

私をお母さんに会わせるために、先生は裏切り者になってくれたんだ。青波に責められることが分かっていても、私のために動いてくれたんだ。
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