恋の病に、堕ちてゆく。
出来もしないことを並べて私をぬか喜びさせる作戦?それでやっぱダメです!ってネタバラシされるんだ。私の落胆する顔を見て爆笑するんでしょ?

「いやいや、今朝に色々と動きがあったし、話せば青波もオッケー出すと思うけどな」

「動き?」

「あー、こっちの話」

自身の唇に人差し指を当て、これ以上は話せないとポーズをとる。その仕草さえ可愛らしさ全開だ。

大きめの白いスエットに花柄の黒いパンツを履き、オーバーシルエットだが上品に着こなしている。
芸能人の写真集を見ている気分なんですけど…。

「一緒に、行こうよ!僕、同世代の人と話すの久しぶりなんだー」

「…あなたも、誘拐犯?」

一応、確認。

「残念ながら、そうなるねぇ」

ですよね…。
このノリについていけない。誘拐犯とは思えないほどのフレンドリーさ。四季と1対1だったら、隙をついて逃げ出せる気さえしてきた。
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