恋の病に、堕ちてゆく。
数学の参考書に戻る。
問題を解きながらしばらくの間、数学と格闘していた。

さっき見た時は窓の外はまだ明るかったけど、正確な時間が分からないから不便だ。勉強時間も測れないし。時計が欲しいって頼んだら持って来てくれるかな?

大我の四季に対する物言いからして、ここのリーダーは青波みたいだし直接、相談してみようかな。ペンだって貸してくれたし。



タイミングよく、部屋のドアがノックされて「入るよ」と、青波の声がした。


「どう勉強は進んでる?」

「はい、なんとか進みました。でも時計がないと少し不便で…」

「時計?そっか、問題の時間配分とか分からないよね。用意するよ」

「ありがとうございます!」

これで今、何時なんだろう?って答えを確認する術のない疑問をもつこともなくなる。

「その代わり、俺のお願いも聞いてくれる?」

「お願いですか?」

交換条件?無理はお願いだったら、時計は断ろう…。
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