幼なじみの不器用な愛し方
「朝言ったじゃん、昨日のホームルームで体育祭の実行委員になったって。放課後、その集まりがあるの」

「……体育祭、いつだっけ」

「6月末」


もう3年生だというのに、学生生活の一大イベントの時期を覚えていないところが有斗らしい。

あたしが体育祭の実行委員をするのも3度目で、過去2年、新年度が始まってからの2ヶ月はとても中身の濃い日々を過ごした。


「ふーん」

「ふーんって……あんたねぇ。自分も出る行事なんだからね」

「……近藤(こんどう)さんのいらん気遣いでな」


眉間に皺を寄せて有斗が口にしたのは、有斗についてくれているマネージャーさんの名前。

学生である有斗が学校行事になるべく参加出来るよう、仕事のスケジュールを調整してくれる頼りになるお兄さんだ。

あたしもたまに会うけれど、その度にあたしにもよくしてくれる敏腕マネージャーさんなのだ。


「学生生活も楽しめるようにっていう気遣いでしょ。いらんとか言わないの」
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