幼なじみの不器用な愛し方
──わたし達は幼なじみだった。

生まれた時からずっと一緒で、姉弟みたいに育ってきた。

春からはそれぞれ違う環境に身を置くことになるけれど、いつだって還るべき場所はお互いの隣なのだと疑う余地なんて微塵もなくて。

有斗とだったら、新しい景色を見ることだって怖くないと思うから。


「あの……」

「ん……?」


熱くなった顔を両手で覆いながら、何とか声を絞り出す。


「おてやわらかに、おねがいします……」


蒸発して顔から湯気が出るんじゃないかと思った。

指の隙間から様子を窺うと、有斗は大きな目を更に見開いてわたしを見ていた。


「……くそ。敵わねー」


色んな感情が複雑に混ざり合ったような苦々しい顔をして、有斗がぽつりと呟く。

首を傾げたわたしを上目遣いで睨んでから、再び短い口付けを落とした。


「一生離さねーから覚悟して」


幼なじみは恋人になった。

そして、これからも不器用に、わたしを愛し続けてくれるのだ。




End





and

To be continued...




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