病弱プリンセス 〜ギャップ萌え男子は溺愛中。〜

保健室にて

ーーー

「僕のことは夏目くんでいいよ〜。あっ!君、理事長のところの女の子だよね?!」

「そ、そうですっ。藤咲玲愛です!」

「やっぱり〜。かわいい女の子だなぁって思ったんだよねぇ〜っ!あの噂は本当だったんだぁ〜。」

あの夏目斗愛くんと喋った…!?なんか認知されてし…。わ、私、ただでさえ男の子あんまり喋らないのに……。ちょっとこわくて苦手だから……。

しかも、か、かわいい?噂?!

訳わかんないことだらけだよ〜。

ーーー

「あのさぁー」

「?」

「もしかして…きみ、男の子苦手?」

っ!?…………なにか失礼なことをしちゃったかな…。

まさかバレるなんてっ。

「え、あっ、ごめんなさいっ…!私何かしちゃいましたか…?!」

「いや、責めるつもりじゃなくてぇ!僕を見て女の子たちはみんな『きゃ〜』だとか『わぁ〜』とか叫んでこっち来るけど、君はなんか緊張してるみたいだし距離があるように感じたから…。」

「そんなに分かりやすかったですか…??」

態度に出てた…?やっちゃったなぁ。酷い人だよね、そんなに分かりやすく避けてるみたいな態度とるなんて。

いや、自分を見た女の子がみんな『わぁー』って言うのもすごい!やっぱり別世界の人だ〜。

「あとぉー。君みたいな子が彼氏いないとかおかしいからね………」

「ふぇ…?!」

さっきから言ってる『君みたいな子』とか『噂』って何!?

私が彼氏いないのなんて当たり前。

噂もきっと理事長にひいきされてずるいっていうやつだよね……。男の子みんなこっち見てヒソヒソしてるし。

「ねぇ。」
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