辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
第五章 結婚式にはあまーいスイーツが必要なのです
 王妃の許可を取って、ハビエルは再び王都の屋敷にやってきた。
 王妃とハビエルの仲については、エルができることはない。
 今後国王夫妻との仲がぎくしゃくするようなことがあっても、家族以外との関わりが、きっとハビエルを救ってくれる。
 王妃はハビエルを愛していないわけではないのはわかっている――それでも、ハビエルを大切にしてくれる人は多い方がいい。エルが、今の家族に愛されているみたいに。
「エル嬢、次は?」
「えっと、型を抜く!」
 厨房でクッキーを作っている二人の様子を見守っているのは、ロザリアである。
 王妃は、今日はどうしても外せない公務があるとかで、ハビエルを朝辺境伯家に送り届けてきたのだ。
 兄達はそれぞれの修業、ロドリゴも仕事でいない。ハビエルと二人で過ごすのは初めてのことだ。
「エルは猫ちゃんにする!」
「じゃあ、僕は犬!」
 エルがお菓子を作るようになったので、クッキー型も様々な種類のものを用意してもらった。猫の次は、ウサギにしようか、それとも木の形にしようか。
「エル嬢は、お菓子を作るのも上手なんだね」
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