辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

城下町へ



 約束通り、ステファニー様は一月後にやってきた。沢山の手荷物を抱えて…………


 「その手荷物はなんだ?」


 テオ様が訝しみながら聞くと、ステファニー様は得意げに「ロザリアの今日の衣装よ!」と鼻息を荒くして返した。私の服?!


 「ロザリアの服なら自室に沢山用意している……」

 「分かってないわね、服のデザインってすぐに移り変わっていくものなのよ。最新のデザインの服を持ってきたのだから、あなたも喜ぶと思うのだけど?」


 「…………………………」

 「ステファニー様、とっても嬉しいです。ありがとうございます!」


 私の為にわざわざ用意してきてくれたのが嬉しい…………私は素直に感謝の気持ちを述べた。この服たちを持ってくるのはとても大変だったに違いないと思う。


 「ロザリア……ありがとう。可愛らしく仕上げてみせるわ、任せて!」

 「はい!」


 私が嬉しそうだったので、それ以上テオ様は何も言ってくる事はなかった。テオ様ごめんなさい。でも可愛らしくコーディネートしてもらえたら、テオ様を喜ばす事が出来ると思って……私、頑張ります!
 

 そうして準備に一時間ほどかかり、エントランスではテオ様が待っていてくれた。
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