辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
 

 そして私はお母様の日記を陛下に渡そうか迷っていた……その話をすると、やはり陛下は迷っておられて――


 隣に座っておられる王妃殿下が私が預かりましょう、と言ってくれた。陛下のお心次第ですぐに読めるようにと…………素敵なご夫婦に私は目を細める。

 お母様がいなくなってから、王妃殿下はずっと陛下をお支えしてきたのだろうなと思うと胸が温かくなった。


 私の事を国に広めるか、という話になり私はお断りしたのだけど……お母様の事を案じていた民にどうしても伝えたいと陛下が仰るので、それならばと了承した。


 失踪した王女の生涯と、その娘として私の事はたちまち国中に広まり、多くの民の反響を呼ぶ事になる。王宮前に建てたお母様の慰霊碑には、毎日沢山の献花が後を絶たない――

 そして私のお披露目も兼ねて、テオ様との盛大な式を王宮で行う事になったのだった。



 ~・~・~・~



 リンデンバーグが消滅してから3ヵ月経った晴天の良き日に、私はテオ様と本当の夫婦になる。

 
 純白のドレスを身に纏い、肌は磨かれ、髪は襟足を少し残して緩く巻き、残りは全てふんわりと結い上げている。頭上には光り輝くティアラをいただき、お花などの装飾に長いベールが後ろに流れていた。そんな私にエリーナが綺麗にお化粧をしてくれている。

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