辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

旦那様を喜ばせたい


 15歳の誕生日に贈られたガーネットの首飾りは、ジュエリーケースに入れて大切に飾っている。


 「綺麗………………」

 

 思わず声が漏れてしまう…………ずっと眺めていてもいいくらい。まだ社交界デビューもしていない身で、付けていく機会もない。でも16歳になったら…………そんな淡い期待も出来るようになってきた自分に驚きを隠せないでいた。


 前は追い出されないように必死だったのに――――今は未来の事を考えて希望を抱いている。

 
 それもこれもテオドール様の優しさのおかげね。感謝してもしきれない。私に対しての気持ちが例え恋じゃなくても家族愛でもいい、そばにいたい。そしてテオドール様を幸せに出来たら――

 
 私が出来る事は限られているけど、テオドール様が笑ってくださる事をしたい。

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