辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「でも、そうよね。努力してみる」

 「その調子です。では今日は…………」
 

 
 レナルドは話しやすくて、私の拙い相談にもちゃんと答えてくれるので、とても相談しやすい。リンデンバーグのお兄様がこんな人だったら良かったのにと思ってしまう。


 お城の人たちはいい人ばかりで、皆に出会えた事は幸運な事ね。エリーナも楽しそうだし、ここは居心地が良すぎて――――


 「………………レナルド、ありがとう」


 感謝の気持ちを込めて伝えてみる。



 「え………………どうしたのです?突然…………」

 「ううん、伝えたくなったから。気にしないで」


 「……………………礼には及びません。奥様の為に励めという旦那様のご命令ですから」

 
 そう言ってニヤニヤしながら意地悪な顔をして、私とテオドール様の仲をからかってくる。こういう気安いやり取りが、エリーナと近い感じがして嬉しかったのだった。



 
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