制服レモネード
お昼を食べ終えて、ママの食器洗いを手伝う。

矢吹さんがうちのチャイムを鳴らす予定の夕方までまだまだ時間はたっぷりだ。

パパは今、理容室に出かけていて、家ではママと2人きり。

ちょうどいい機会だから行ってきなさいとママに言われて渋々家を出て行ってた。

「いい感じなの?彼とは」

?!

ジャーとシンクに水を出した時、隣に立つママにそう聞かれて、持っていたスポンジを落としそうになる。

ドキドキと心臓の音がうるさい。

「えっ、と、わかんない、付き合うとか、初めてだし……これが世の中のいい感じなのかどうか……」

ごにょごにょと言葉を濁しながらそう話す。

ママにこんな話をする時が来るなんて。

今は楽しそうに私の話を聞いてくれるけど。

これが、相手が隣の矢吹さんだった知ったらどうなるんだろう。

快く受け入れてくれるのかな。

「まぁ、顔を見てたらわかるわね」

「えっ、顔?」

そう聞き返すと、ママがグッと顔を近づけて来た。

「幸せ〜って顔に書いてある」

そんなこと言われちゃ、恥ずかしくて火照ってしまう。

私……そんなにわかりやすいかな……。
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