制服レモネード
「出会って付き合うようになって一緒に過ごして、やっぱり、俺の人生に梓葉がいないのなんて考えられないし、梓葉が俺を選んでくれるなら……」

そんなもの……答えなんて決まっている。
でも……。

「矢吹さんこそ、本当にいいの?本当に本当に、私で……」

「初めてだよ。こんなに1人の女の子に夢中になったのは。これからだってそう」

目頭が熱くなって、瞬きをしたら完全に落ちてしまう。

「うっ、こんなタイミングとは……」

「早いのはわかってる。これから梓葉も大学生になって、まだまだ学生の身分は変わらない。けど、だからこそ、このタイミングだと思うから。真面目で芯が強くて、ちゃんと向き合って俺のこと全部包んでくれる梓葉と、これからもずっと一緒にいたい。俺と、結婚してくれる?」

「……っ、」

どんな言葉を並べても、この喜びはうまく表現できそうになくて。

ただただ、涙が落ちていくばかりで。

矢吹さんに出会ってたから、私は随分と涙もろくなってしまったな。

私だって、まったくおんなじ気持ちだ。
これからも、ずっとずっと矢吹さんと一緒にいたい。

「っ、よろしくお願いしますっ!!」

私がそう言うと、矢吹さんが優しく微笑んでから、私の薬指に、キラキラと光るリングを通した。
< 221 / 227 >

この作品をシェア

pagetop