制服レモネード

「好きなの、そいつのこと」

龍ヶ崎くんに静かにそう聞かれて、コクンと頷く。

静かに優しく、少し遠慮がちに聞いてくるのがなんだか龍ヶ崎くんらしくなくて違和感。

「……へぇ」

「あ、でも、お恥ずかしいことに全然相手にされてないといいますか。相手の方大人だから私みたいなガキは女として見てもらえてないよ。今回のだって、私がわがまま言ってそういうことになっただけだから……」

「……どーだか」

「えっ……?」

っ?!

突然、龍ヶ崎くんが私の肩を捕まえると、私の耳にグッと口元を近づけて来た。

「じゃあ、まだ可能性はあるってことだ。今度は俺が梓葉のこと誘うから。デート」

っ?!

龍ヶ崎くんは、身体を離して私の肩をポンポンと2回叩くと、そのまま行ってしまった。

「ちょ、今のなんだよ!」

「龍ヶ崎のやつなんだって?!」

突然のことで立ち尽くすことしかできない。
頭が追いつかない。

2人の声なんて遠くて聞こえない。


龍ヶ崎くんの今のセリフって……?
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