陰陽現代事情
「おい待てっ!!」
 左上位が戯れている後ろから、突然、怒鳴り声が聞こえた。
 蘆屋が後ろを振り向くと、そこには怖そうな顔をした男たちがいた。
「お前ら、左上位だな。我々の活動に水を差すようなことは辞めて頂きたい」
 右上位の代表・刻下が忠告した。
「なんなんだお前らは!!」蘆屋は唾を飛ばしながらわめいた。
「我々は、日本の主権回復のために活動している右上位だ」
「ふんっ!右上位か!」
 蘆屋は右上位の一味を、横目で睨みつけた。
「今はわが国が海外に軍を派遣する足掛かりを作る上で、大切な時だ。このような時に、アメリカのお仕着せの憲法9条をかたくなに守ろうとするお前たちは目障りだ。直ちに帰りなさい」
「帰らないぞ~!やい右上位!お前ら最近見かけなかったが、どこへ行ってたんだ!!」
 安倍が右上位に聞いた。
「日本の好景気に甘んじて、冬眠に入っていたのだが、寝苦しくてな。無性に血が騒ぐから、こうして起きてきたんだ」
 右上位の一人、天納が答えた。
「冬眠だと!笑わせるぜ!もうお前らの出番などないだけのことだろ」
 津宵が右上位をちゃかした。
「うぬぬぬ・・・・お前ら・・・・右上位をバカにしやがって・・・・」
 刻下の目つきが変わった。
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