美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 名取がお腹を抱えて笑っている。蓮はさくらと名取を見て言った。

「君達は話があったんだろ?僕はそろそろ失礼するよ」

「まあ、別にいてもらっても構わない。君はこのベリが丘での経営に詳しいし、彼女の相談にのれるかもしれない」

「私も別に構いません」

「でも……二人はそういう関係じゃないのか?」

「「え?」」

 名取とさくらは顔を見合わせて笑い出した。

「……残念ながら違うんだ」
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