結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
「もしもし」

電話に出ると『桜子どこです?』と少し焦ったような声で聞かれた。

「櫻坂を散歩中です」
『何かありましたか? 桜子の声が泣いてる気がします』

どうして先生は私の気持ちがわかるんだろう。
心の中で号泣してる。だって父と瑠璃さんの事がショックだった。
それに、先生とお別れしなきゃいけないと思うと辛い。でも、そんな事は口に出せない。だから私はいつものように強がる。

「泣いてませんよ。変な言いがかりつけないで下さい」
『無理してませんか?』
「してませんよ。無理をしているのは先生でしょ? 昼間のあれは何ですか? 銀行の前で待ち伏せて。上司に見られて気まずくなったんですから」

明るい声を務めた。気を抜くと泣きそうだから。
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