愛し、愛され、放さない
異様に離れない生活
結婚して一ヶ月程たった、平日の早朝。

百合と玲蘭の朝は、とても早い。
起きて、百合が仕事に出るまでかなり時間がかかるからだ。

頭に優しい感触がして目を覚ます、玲蘭。
「んん…」

ゆっくり目を開けると、百合が優しく見下ろし頭を撫でていた。
「おはよう!」

「……/////
おはよう/////」
その爽やかな美しい容姿に見惚れながら、玲蘭も挨拶した。

(朝から綺麗な人…/////
こんな綺麗な人に見つめられながら起きるの、なかなか慣れないなぁ/////)

「起きようか、玲蘭」
「うん」

ゆっくり起き上がり、先にベッドを下りた百合が玲蘭に両手を広げた。

「玲蘭、抱っこさせて?」
「え//////そ、それは…ちょっと…」

「何?ダメ?」
「え……あ、う、ううん……!」

百合の鋭い視線と声に玲蘭はたじろぎ、首を横に振った。
百合は微笑み「じゃあ…僕の首に手を回して?」と言って抱き上げた。

「……っしょっ…と…!」
ゆっくり、洗面所に向かう。
「お、重くない?」

「ん?
重くはないよ。
どうして?」 
「ちょっと…太っちゃって…//////」

「そうなの?
そんな感じしないな。
でも玲蘭って、軽い方じゃないの?」
「そ、そうかな?」

「僕は全然、苦じゃないよ?
むしろ、ずっとこうやって玲蘭を抱っこしてたい!」

洗面台の前で下ろされ、仲良く顔を洗う。
玲蘭は、顔を拭きながら鏡越しに百合を見た。

「……/////」
(ほんと、カッコいいな…/////)

「ん?何?」
ジッと見惚れていると、バチッと目が合った。

「あ…う、ううん!」
慌てて視線を逸らす。
すると百合が、顔を覗き込んできた。

「んー?何かな?
言って?」
「……/////」

「言わないと、キスするよ?
僕、さっきからずっと我慢してるんだ。
わかってると思うけど、一度口唇が重なるとしばらく貪るよ?僕」

「あ…/////」

「ね?
はい、何?」

「か、かかか、カッコいいな、って…/////
見てましたです…」
タオルで顔を隠し、照れたように言った。

「そう?
ありがとう!
嬉しいよ、玲蘭にそう言われると」
微笑み言った、百合。
ポンポンと、玲蘭の頭を撫でた。

その優しい感触に、フフ…とはにかむ。
すると百合の手がピタリと止まった。

「え?百合くん?」
「その表情(かお)、可愛いなって!
僕の与えることに、素直に反応してくれるから」

「そ、そうかな?」
「うん、凄く可愛い。
どうしよう……キスしたくなる…」

百合の顔が近づいてくる。
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