続▪︎さまよう綸

*

 百貨店から数日後の夜、リッキーから電話があった。久しぶりと挨拶したあと彼は私に夏以降美容室行ったかと聞く。行ってないと答えると

‘綸ちゃん、この色で続けるなら一緒に行く?俺今週行くつもりだよ’
「そろそろ行こうと思ってたの。一緒に予約出来るの?」
‘大丈夫だよ。予約できたら場所も連絡するな’

 そして予約してくれた美容室は国府の繁華街からほど近いところにあり、予約時間が午後なので田嶋さんのところで夕飯にしようとメッセージを受け取った。早速シャワーから出てきた正宗に伝え

「田嶋さんのところで、海鮮丼しか食べてなかったからお寿司楽しみ」

 と言うと彼は

「俺も行きたいが…その日は出張で泊まりか出来れば夜中に帰ってくるという感じだな。力哉に本家まで送るように言っておく。伊東たちは美容室までお前を送ったあとから次の日も丸一日の休みを取らせる。一日出ないで本家にいてくれるか?」
「もちろん。ありがとう、正宗。皆のこと大切にしてくれて」
「当たり前。俺たちの家族だろ?」

 そう言いながら私のパジャマのボタンを外し始める彼に

「ねぇ…昨日もしたんだけど…あっ今朝も…」
「ん?思い出して熱くなったか?」
「そうじゃなくて…」
「足りなかったか?」
「じゃなくてっ…ちょ…やり過ぎじゃない?」

 首筋を舐め始めた彼を止める術もなく、その場で甘く絡め取られた。
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