そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~
 パーティーの前の休日、私は彼と一緒にドレスを選びに出かけた。
 
 もちろんサウスエリアにあるべリが丘ショッピングモール。ここには国内のハイブランどがほとんど集まっているのだった。

「美里は好きなブランドとかある?」
「いえ、特には」

 そもそもバックはおろか、口紅ですらハイブランドの商品を持ってはいないのだから、分かるはずがない。
 と、言うかあまり興味が無かった。

「全然分からないから、涼介さんにお任せします」

 ハイブランドの並ぶフロアを二人で歩く。
 もちろん手をつないで。

「美里はどちらかと言うと、可愛いタイプだから──」

 一緒に入った一軒のお店。
 ウインドウには春らしくパステルカラーのスーツやワンピースが飾られている。

「阿久津様。ようこそおいで下さいまして、ありがとうございます」

 店員さんがすぐに声を掛けてきた。

「彼女に似合うパーティードレスを選んで欲しいんですが」
「承知いたしました。お任せ下さいませ」

 深々と頭を下げる店員さんは、私に向くと。

「お好みをお伺いしますね。どうぞこちらへ」

 ソファーを勧められる。
 
 えっと、店内に掛かっている服を見るのではないの?

 彼と一緒にソファーに座る。

 ど、どしてソファーに?
 何が始まるの?
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