君の隣にいられたなら。
◇ ◇ ◇



それでも、放課後、いつも通りに図書室に行った。


今日は先輩が来ない曜日。
少しだけ考え事をしようと思って、図書室にきた。
ついでに勉強もできたら今日は合格すぎるくらいだとか、自分を甘やかして、図書室の扉を開けた。


いつもの席に座る、それから気づいた。


「……せんぱい?」
「あ、茉白ちゃん。今日も来てるんだね」


本棚のそばに立っている先輩が、見えた。
いつもはいないのに珍しいなって、考えた後、すぐに昼のことを思い出した。


『結構、女の子にあま〜いタイプの、ゆる〜い頭の先輩みたいだけど?』


『要は、取っ替え引っ替え、とまではいかないけど、長続きしないみたいだよ?告白、断らないってよく聞くし』


いざ先輩の顔を見ても、やっぱり昼間の実里の話は信じられなかった。
だって今も、私に対して本当に優しい顔をしてくれているから。


「茉白ちゃん、今日も浮かない顔してる」
「え、」
「最近、大丈夫?疲れてる?」


先輩は私の隣に座ると、チラッと顔を覗き込んだ。
プチパニックになる脳内を無理やり押さえ込んで、先輩の顔を見る。
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