悪魔なあなたと結婚させてください!
「謝る?」

「そうですよぉ。私達、あんまり先輩のこと先輩と思ってなかったっていうかぁ。でもぉ、そうじゃないよなって最近気がついたんですぅ」

和美も同じような話し方をしていて、頭がクラクラしてきた。
幸のことを先輩と思わずにばかにしてきたことを謝る?

どうして今頃?
謝る気があるのならもっと早くに行動に移すことがきたはずだ。

このタイミングで急にこんなことを言い始めたということは、きっと裏になにかある。
警戒心を緩ませない幸に、朋香が一歩近づいた。

そして耳打ちするように小声でささやきかけてくる。
「だから、紹介してくださいよぉ」

「紹介?」
本当になんのことだかわからなくて首をかしげる。

「先輩の兄弟か、いとこか、そんなところなんでしょう? この人」
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