あの日見た、君の笑顔を

まさかの告白

昼休みになった。
いつものように、仲良しの直美と沙耶の二人と輪になってお弁当を食べていた。
「ねえ、知ってる?隣のクラスの橋川さんと川西くん、付き合うことになったんだって~。」
情報通の沙耶が、卵焼きを口に入れてから言った。
「えっ、そうなの?!でも、橋川さんと川西くんって仲いいイメージあったから、ありえるね~。」
そう言ったのは、髪をおろしている、直美。
「だよね、私も思った~。あの二人、幼なじみらしいし。」
「そうか、だからか。なーんだ。」
肩を落とした直美を見て、私はクスッと笑ってしまう。
すると突然、沙耶が私の顔を見て言った。
「そういえばさ、小春は好きな人いないの?」
突然問いかけられ、一瞬ウインナーがのどに詰まりそうになった。
「ちょ、ちょっと。大丈夫?!」
「うん、平気。というより、沙耶が急にそんなこと言うからでしょ。」
ごめんごめん、と全然誤る気のない言い方をした。
「で、実際どうなわけ?」
「もちろん、いないよ。だってつくる気ないもん。」
「もー、そんなこと言って。だいたい、小春みたいな可愛い子はね、狙われてるのよ。自覚してないだろうけど、あんたはいろんな男子からモテてるんだよ。それくらい、わかんなきゃ。」
え、私がモテる?
いやいや、そんなことあるわけないじゃん。
それに、可愛いだと?
そんなこと言っちゃ困る。
だって、沙耶の方が何倍も可愛い容姿をしているのだから。
「あ、あの。ちょっといいかな。」
後ろから声がしたので振り返ると、そこにはなんと、学年一モテる俊也くんがいたんだ。
「あ、はい。えーっと、なんでしょうか?」
「あ、ここではちょっと気まずいから、屋上でいい?」
はい、と言って、私は素直についていった。
屋上の扉を開けると、涼しい風が当たってくる。
「急に呼び出して済まない。よ、よかったら僕と・・・付き合ってくれないかな?」
え、今、何て言った?
頭の中が、一気に真っ白になる。
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